1*見える

3/5
前へ
/208ページ
次へ
『はい~……?』 私は、今にも泣きそうなか細い声で返事をした。 (あ……。格好いい人………。) その姿は、いかにも“スポーツ万能”っていう感じで、誰からも好かれそうな優しい感じだった。 大牙先輩はちょっと驚いたように、そして困ったように言葉をつなげた。 『もし、清涼の新入生だったら高校はこっちだよ。』 『へ?』 『ほらっ』 そう言い、自分の腕を私に突き出した。 “清涼高校 案内役” 腕に付けてあるゼッケンにはそう書いてあった。 『か………神様……。』 思わずそう言ってしまった。 気付いたときには時すでに遅し。 『か、神様………。案内しただけで神様って……。』 大牙先輩はお腹を抱えてくつくつと笑っていた。 大牙先輩のツボにはまったらしい。 (いや~……💦恥ずかしい///) 『いいね、神様。ありがと。誉め言葉?』 (可愛く笑う人だなぁ………。) その時の大牙先輩の笑った顔が頭から離れなくなった。 『……?おーい?』 『え!?……あ……はい、誉め言葉ですっ!!』 『ははっ……君って面白いね』 (あ………。また笑った。)
/208ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加