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雷鳴と雨音が絶え間なく鳴り響く夜、巨大な屋敷の中の一室に緊張した様子で、動き回っている男がいた。
この男は“ハーデス=リトレイン”
この屋敷の主であり、3大貴族の一角リトレイン家の現当主でもある。
「まだか、まだなのか…」
ハーデスが小さな声で呟いた瞬間。
「オギャーオギャー」
と、甲高い声が屋敷中に響き渡った。
この声を聞いたハーデスは、急いで声のする部屋へと向かった。
「リリア、生まれたのか!?」
慌てて入ってきたハーデスは何よりもまず、新たに誕生した自分の子どもを探した。
「あなた、そんなに慌てなくても赤ちゃんは逃げていきませんよ」
少し疲れた顔をしている、ハーデスの妻“リリア=リトレイン”は落ち着いた様子で、そう返事をした。
そして、隣で眠っている赤ん坊をハーデスに手渡した。
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