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草木も眠る丑三つ時。
丑三つ時とは、一日のうちで一番幽霊が出る時間帯なんだそうだ。
ちょっと色々あったせいか、眠気が襲ってこなくてずるずると起き続けた結果、気付けば夜も深くなってしまった。
寝返りをすること数百回。
睡魔は一向にやってこない。
どうしたもんかな、とため息を一つ。
目蓋を閉じると、いつもは聞こえないはずの心臓の音に時計の秒針とかドップラー効果が、僕を眠りから遠ざけた。
そんな中、ふとあることを思い立った僕は雨戸を開けた。
すると、冷たい空気が身体をきつく包み込んだ。
肌寒さを感じながら充電器につないだままのケータイを手に取る。
開いたのは電話帳。
掛ける相手に迷うことはなかった。
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