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彼女との会話は僕の心に染みて花を芽吹かせる。
聞き上手であり話し上手でもある彼女を、僕は愛しいと感じていた。
けれど、いざ彼女の耳元で「あいらーびゅ」と囁かなければならないことを考えると、怖くてたまらないのだった。
「全く……あんたと話すのは楽しくて仕方がないから困るわ」
うわー
真夜中に電話した甲斐がありますよ。
「他のヤツだったら泣かしてるところだけどね」
すいません、リアルです。
なぜでしょう。僕が泣きそうなくらいリアルな話です。
この人ならやりかねない。
彼女の話は神話から雨乞いの方法まで幅広い。
数々のお話たちは僕のツボをくすぐり、楽しませてくれる。
だからだろうか、と思う。
憧れる、と同時に、好きになってしまったのか。
好き、一緒にいたい、ずっと笑っていてほしい。
純粋にそう願うことのできる人。
僕にとって誰よりも大事な人。
だからこそ僕の前からいなくならないでほしい。
僕が何よりも恐れることだから。
告白してしまったら、今まで積み上げてきたものがすべて崩れ去ってしまいそうで、自然と避けていた。
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