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「今のゴリラだよな?」
「学園の方から聞こえてきたよね?」
慎矢と美雪がケンの方を見て、自分が耳にした雄叫びが、空耳かどうかを確認してきた。
「確実に空耳じゃない・・・・・。今日も早速仕事だな」
ケンが2人にそう言うと、示し合わせた様に3人は走り出した。
急いで学園に向かう。
「最近、揉め事が多くないか?」
ケンは、そう言いながら、疲れた目で慎矢を見た。
「毎年らしぞ」
「うちの部活は多いから、新入部員の争奪戦が熾烈なの」
「そのツケがなんで特活に回ってくるんだよ?」
特活とは、『生徒会特務活動部』の略である。
生徒会や学園から、様々な任務を請け負い、活動している。
メンバーは、少数精鋭の猛者達だ。
と言いたいが、ただ単に、部員の数が少ないだけだった。
「理由が知りたいか?」
慎矢が珍しく真剣な目だった。
自然と聞いている方にも、緊張感が伝わってくる。
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