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「ていうか、ホントに姫はそんなに盛ってるわけ？」
姫の対して多くない経験をしていて、佐助が問う。
姫は、ん？と顔をあげて、肩をすくめて笑った。
「好奇心だってば」
「ふぅん？」
挑発的な佐助の瞳に、姫はくすぐったそうに笑った。
佐助は窓の外を見てから、不意に立ち上がり、机に腰かけた。
姫は目の前に佐助の背中が立ちはだかって、思わずゆったりとついていた頬杖をやめた。
何、と聞く前に佐助が向こうを向いたまま言った。
「おいで、姫」
わざとだろうか。
姫、と呼びかけられたのに、なんだか別の女を佐助が呼んだように聞こえてしまって、姫は思わず立ち上がる。
肩越しに佐助が振り返る。
「おいでよ、好奇心旺盛な姫チャン」
笑顔のまま唇を尖らせて、姫はなんとなく、言われたとおりに席を立って回り込んでしまう。
緩く膝を開いて足先を漂わせながらくつろいでいる佐助の前で、言われてもないのに膝をついて座る。
それをからかいもせずに、佐助は姫の頬を両手ではさんだ。
上を向かされる。
佐助の親指が、めでるように姫の唇をなぞって、ぁ...キスされる。
と、姫は思った。
けれど、佐助はそれをしないで笑った。
「ホントに、する？」
どこか挑戦的に笑われて、姫も似たように返す。
「佐助といちゃいちゃしたくなってきちゃった」
三階だけれど外から見えないようにカーテンを閉めたり、開けっ放しの扉を閉めたりなぁんて野暮なことはやらず、まるでその空間だけ切り離されたような自然さで、姫は引き寄せられるままに、膝を詰めた。
まだ何もしていないのにドキドキとし始めて、そんな自分に自嘲さえしたくなる。
きちんと座って佐助を見上げると、視線が交差する。
どきん...
「今日は、自分でやってよね」
それはいじわるじゃなくて、むしろ佐助からの願望だった。
大きな手がふわりと姫の頬をなでて、姫は少しだけ視線を揺らすと膝を更につめ、ゆるく開かれた佐助の膝の間に体を滑らせる。
清潔なシャツに隠れるベルトに手を伸ばす。
カチャリ、と金属の擦りあう音がして、やらしいなぁと二人同時にぼんやり思う。
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