くらくらり。

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. 「んっ…暑ィ」 『ちょっ、何やってるんですか』 「脱ぐ」 『ダメですって』 「嫌だ。暑い。脱ぐ」 『じゃあ襖開けて外の風入れますから脱がないで下さい』 「ぁ、おい姫…!!」 ばたん 政宗が突然引っ張り二人して倒れ込む 政宗が上に乗っかってるから重かった 『何してるんですか』 「…離れるな」 『離れませんよ。襖を開けようとしただけじゃないですか』 「姫が居なくなったら俺は…きっと壊れちまう…」 『あの…』 「俺にはお前が必要なんだ」 『政宗様…』 「愛してる…姫…」 『…小十郎がずっと見てますよ』 顔を赤くして溜め息をつく小十郎と その場に組敷かれたままの私と 酔っ払って私にすり寄る政宗 伊達軍の未来が心配で仕方ありません。 あの後、小十郎が一緒に政宗の世話をしてくれたお陰で酔いもだいぶ醒めたみたいだ 『落ち着きましたか?』 「あぁ」 『もうお酒は止めて下さいね』 「…あぁ…」 『まだ気分悪いんですか?』 「…カッコ悪ィところ見せちまった」 政宗は私から目を背けた そりゃあ確かに酔うと性格も変わっちゃうし驚くけど… 離れるなって言葉はとても嬉しかった 『そんな事ないです』 「………」 『私はどんな政宗様でも、ずっと側にいますから』 「……姫」 『絶対に離れたりしません』 ぎゅ。 って政宗が私に抱きついた 私は子供をあやすように頭を撫でる 『膝枕…します?』 「あぁ、頼む」 『はい、どうぞ』 政宗様 酔いが醒めたら ……キス、しましょうね。 くらくらり。 .
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