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少女は言った
新しいもの
新しいひとたち
そんな新しいだらけの世界を
僕は歌にしよう
ハロー、ハロー、初めまして
取って置きの想いを込めて
君の為だけに声をあげて唄いましょう
蒼天に映える純白の雲
撫子色の木々は
空へ、空へと背を伸ばす
足元には幾千の花
4度目の春が過ぎました
声が聞こえた
虫たちは歌を奏でる
4度目の夏が来ました
時の流れは確実に、着実に行進しているのに
何故だか彼女の歯車は停止したまま
まだ歌はできません
再び君に会いたい
再び君の声が聞きたい
奥底で願いながらも
出くわすのを恐れる
葛藤する2つの想いがぶつかり、相殺しあう
ハロー、ハロー、今
君はどこにいますか
君を思い出すだけで
僕の心臓は握られる
苦しいのです
寂しいのです
君に会えない日々は
本当に、本当に
辛いのです
もしも、例えばこの4度目の夏
僕等が巡り遭えたのならば
君はどんな顔をするだろうか
出合い頭に
「 奇遇ですね 」
と 、笑いかけてくれるだろうか
小さなメロディーが
完成しました
彼女は小鳥のようにか細い声で唄います
たった、1人の為だけに
歌い続けます
好きよ
愛してるわ
メロディーはループする
彼に届くまで、永遠に
一方通行に進んだままの歌は
待っても、待っても帰りません
それでも決して彼女は
唄うことをやめません
簡単には言い表せないほど
君が愛しいのです
この想いが溢れてしまう前に
受け止めて欲しいのです
ただただ、
君の声が聞きたいのです
そう言って彼女はまた
歌を唄う
* >> メートヒェンのラプソディ
木馬
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