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学校が夏休みへと入り、メールや電話などで連絡しあうも実際に会って、顔が見れなくなってから10日が過ぎ12日目の夜、直接会って顔が見れない事に限界を感じて行動に出たのが22時を過ぎた頃だった。
右手に携帯、財布はジーンズのポケットへ突っ込み部屋を出て行く。
階段を下りて玄関へと向かい歩きながら携帯を開く、いつでも直ぐに電話が掛けられる様に登録してある番号を呼び出してボタンを押す。
数回のコール音が鳴ってから電話が繋がる。
「どうした亮?こんな時間に」
まだしっかりとした声での言葉を聞いては少し押し黙る。
「…今から会いに行くからな」
そうとだけ告げて通話を切ろうとする、慌てる様な声にボタンを押そうとした指の動きを止める。
「待て待て!今、何時だと思っているんだ、もう22時を過ぎてるんだぞ」
「知ってる、でも今から会いに行くから寝ないで待ってろよ」
今度こそ通話を終わらせんとボタンへ指を当て、耳元より離そうてするが
「だから、こんな時間から外出なんてしたら親が心配するだろうが?!」
玄関先へと辿り着き、そこで足を止めては壁へもたれ掛かる。
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