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「ちょっと出てくる」
「おっ、こんな時間から逢引きか?相手を困らせるんじゃ無いぞ」
そんな事は言われ無くても分かってると頷けば玄関を出て外へ。
「……俊弥?」
「…ん、何だ亮」
返ってきた言葉にまだ携帯が繋がっていた事にホッとしてしまう。
気を取り直す様に再び、
「もう、家を出たからこのまま俊弥のアパートに向かうからな、おとなしく待ってろよ」
もう絶対行くと自分の中で確定させれば、足が勝手に俊弥のアパートに向かうべく動きだす。
「あぁ~待てと言っているだろお前は。お前のお兄さんも言っていただろ、相手を困らせるなと」
「……俊弥は今から俺が会いに行くと困るのか?それとも…誰か居るのか」
家の敷地から出た所で足を止めて、手にする携帯のディスプレイを見詰める。
「いや、俺1人だ。今からだとお前、間違いなく補導されるぞ。そんな事になってみろお前も困るし、出張へ行ってる親も困る、お兄さんも困るだろ。無論、俺だって困るぞ」
携帯越しからの言葉に確かにと思うが若い勢いは予定変更なんて事は出来ず。
咄嗟に、今からでも補導される事の無い方法を考えだす。
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