243人が本棚に入れています
本棚に追加
「それじゃ、途中でタクシー捉まえて乗って行くから補導されないぞ、それなら大丈夫だろ」
「…無駄な金を使うな。明日じゃダメなのか?」
その言葉に押し黙るが今すぐ会いたい気持ちが強過ぎて、
「ダメだ、俺は今直ぐにでも俊弥に会いたいんだ。それに俊弥言っただろ、我儘言っても良いって、だから我儘を言っているんだ」
自分でも我儘を言っているのだと十分にわかっている。
長い夏休みに入り、ほぼ毎日会えて当然たったのに、会えない。
携帯を繋げてでしか言葉がかわせない3日、4日はそれでも良かったのだが、5日目になり何かが物足りなく感じ始め、10日目には苛々と無愛想に磨きが掛かってゆくのに自分でも気付いていた。
そして12日目の夜に限界に達して行動を起こしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!