姥捨(Ubasute)

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2028年春。 外は美しい桜満開の時。 どこの葬斎場も国に管理され、寝たきりや、弱った老人でごった返す、医療機関にかかれ無い為である。 異臭を消す為か、至る所で線香が焚(た)かれている。 黒塗りの棚で、まるで整理棚の様な、寝返りも出来ない寝床で、枕元の線香にむせる老人、病気に苦しむ老人、息は有るが意識は薄く、既に祭壇の前に寝かされ、葬儀を待つ老人。 その様子は、生きているのに葬られる、まさに生き地獄である。
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