姥捨(Ubasute)

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国は、医療費の破綻、年金制度の破綻、国政の混乱の為、遂に弱い者虐め、いわゆる口減らし法案を決定したのである。 この法令により、親類はもとより、特に若い者達は、年寄りを敬遠するようになった。 町外れの葬斎場に、見舞いに来ている花山竹雄は、大学を出て、中華飯店華山を継ぐ花山家次男である。 花山家は、父親岩雄二十二年前既に他界、母親菊子九十七歳、額に軽い皮膚癌、意識有るが老衰の為、眠っている事が多い。長女咲子七十七歳、膠原(こうげん)病、寝たきり。の状況である。
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