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章のタイトルに正木弁護士の事を、
『変わり者?』
と表現した意味をお分かり頂いたでしょうか?
〈墓荒らし〉とは、全くとんでもない事です。
しかし、彼がとんでもない事をやったのには訳があったのです。
「首なし事件の記録」
まえがきから抜粋
『戦前つまり旧憲法時代の刑事裁判では、被害者の自白さえあればその他は付け足しに過ぎませんでした。
したがってその自白をえるために、警官による拷問がつねに行われました。
それはむしろ必要悪として、検察側ばかりでなく、裁判官も、いや、弁護人でさえも黙認しているのが常識でした。
そして、拷問のことにふれるのは、絶対のタブーだったのです。
わたしは、そのタブーを犯したばかりでなく、真実を明らかにするために、墓地から死体を掘り出したり、当時としては、常識では考えられない、進行中の裁判の批判をあえてしたりしました』
当時の〈タブー〉、真実を暴こうと口を開けば、命に関わる危険性がありました。
しかし正木弁護士は、自分の中にある《正義》に嘘をつく事が出来なかったのです。
前置きが長くなりましたが……。
そろそろ、正木弁護士の人生を変えはない、『首なし事件』についてお話していきたいと思います。
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