『被疑者死亡で始まった事件』

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昭和19年の1月、茨城県の炭鉱(たんこう)町で、現場主任として働いている1人の男、大槻徹が花札賭博(とばく)の容疑で大宮署に捕まりました。 警察の本当の目的は、経済違反の闇米だったのですが……。 その2日後、署内で彼は突然、脳溢血で死んでしまったのです。 警察から、 「至急、遺体を取りに来い!」 と連絡があったので、炭鉱事務所2人が引き取りに行きました。 が! 何故か警察は埋葬を急がせようとしています。 そしてもう一つ、2人はもっと不思議な事に気がつきました。 埋葬する時、大槻の死体を見ると、脳溢血で死んだにしては不自然な所、例えば、  口や鼻から血が出ていない   顔の形相が凄すぎる …などがあったからです。
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