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洞察力(どうさつりょく)の鋭い正木弁護士は、佐藤勝子の話を聞いているうちに、
(隣にある同じ炭鉱を営んでいる、倉橋四郎との鉱区争いが事件の原因ではないか?)
と考えました。
長倉村は、亜炭というカロリーの低い石灰の鉱山がいくつかあり、それを双方でで分かち持っていました。
ある日、佐藤側が新しい鉱脈を発見し、それを倉橋は妬んで、
「そこの鉱脈は地下で倉橋側に入っている!」
と言いがかりをつけました。
悔しいことに警察にこの事を言っても地方警察は村の実力者、倉橋側の味方です。
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