『こっそり首を持ち帰る』

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「首を持って帰ってくれ。でなければ捨てるよ」 そう教授に言われ、正木弁護士は慌てました。 「標本として大学に寄付しますので、是非保存しておいて下さい!」 正木弁護士はこの首を証拠として取っておこうと考えていたのです。 しかし、探してもホルマリン漬けにするガラス容器が見つかりません。 「正木君、ないよ。発注しておいたのに、戦争で製造中止になった為、一つもないんだ」 正木弁護士は必死に部屋の中を物色しました。 すると、木箱の影に1つだけ転がっているガラス容器を見つけたのです。 まさに奇跡でした。 お陰で首は大切にホルマリン漬けにしてもらう事が出来ました。 後々、彼がここで諦めていたら大変な事になっていました。 1つだけ残っていたのが本当にラッキーな事だったのです。
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