『首なし事件』反骨の弁護士 正木ひろし

『権力への挑戦 始まった戦い』

正木弁護士の次の作戦は、世間にこの事件を広めようというものでした。

その為、新聞、雑誌編集者に、警察の拷問致死事件の概略（がいりゃく）を印刷した物を配りました。

この国初めての、警察の拷問致死事件の告発文です。

マスコミ各社がこぞって取り上げるはず……なのに？

何処からも反応がありませんでした。

平成の世のマスコミなら、一目散に飛びつく゛ネタ ゛でしょう。

しかし、この時はまだマスコミは自由に意見を言えるような時代ではなく、官憲を恐れていました。

取り上げようものなら圧力にあい、潰されてしまいます。