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「裁判と悪魔」より抜粋
政治評論家 細川隆元氏からの対談から
細川 『あなたは、民事事件というのを扱ったことはないんですか?』
正木 『僕は前は、民事ばかりでしたよ。〈首なし事件〉以来です、刑事は』
(中略)
細川 『それをまた、どうして金になるヤツをやめたんですか?』
正木 『それがね、首なし事件という有名な事件があったんです。
巡査部長が拷問によって人を殺しておいて、脳溢血としてほうむっちゃったんだ。
それを僕が、その墓を暴いて、巡査部長がひっぱたいた証拠を出してね、戦時中に。
古畑の鑑定を得て、戦後ついにその巡査部長を有罪にしましたよ。
それまでに12年かかったんです。
それ以来、裁判官てものを信用しなくなったんだ。
だから弁護士商売をやめるといって、それで民事はやめたんですよ』
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