『変わり者? 正木ひろし弁護士の略歴』

6/8
前へ
/52ページ
次へ
   「裁判と悪魔」より抜粋 政治評論家 細川隆元氏からの対談から 細川 『あなたは、民事事件というのを扱ったことはないんですか?』 正木 『僕は前は、民事ばかりでしたよ。〈首なし事件〉以来です、刑事は』     (中略) 細川 『それをまた、どうして金になるヤツをやめたんですか?』 正木 『それがね、首なし事件という有名な事件があったんです。  巡査部長が拷問によって人を殺しておいて、脳溢血としてほうむっちゃったんだ。  それを僕が、その墓を暴いて、巡査部長がひっぱたいた証拠を出してね、戦時中に。  古畑の鑑定を得て、戦後ついにその巡査部長を有罪にしましたよ。  それまでに12年かかったんです。  それ以来、裁判官てものを信用しなくなったんだ。  だから弁護士商売をやめるといって、それで民事はやめたんですよ』     
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加