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コンビニに行ったはいいが特に読みたい雑誌もなく、結局小一時間店内をフラフラしていた。
途中、店員に白い目で見られたのは秘密だ。
(そろそろ時間だな)
僕は自転車にまたがり、コンビニを後にした。
帰り道の信号で立ち往生していると、近くに隣接している公園の時計が目に入った。
………針は午後5時20分を指している……。
目を擦り、もう一度時計を凝視した……。
やべぇ。
僕は待っていた信号に無視を決め込むことにして、ペダルを思い切り踏んだ。
やばいよ……かなりやばい。
学校に遅刻するよりやばい。
誰かタイムマシンをくれ。
ロケットスタートをかました僕は辺りに目も暮れず、まるで崖の向こう側へ飛び移るエキサイトバイクよろしく道路へ飛び出した。
その時……
キィィィィ!
あ……?
僕は宙に浮いていた。
どうやら車に轢かれたらしい。
何で……こんな時に限って……。
はは……しかも轢いたの救急車かよ。
何の皮肉かね……。
飛ばされた僕の体は、薄く鋭いガードレールに強く打ち付けられた。
頭の中で救急車のけたたましいサイレン音が響く……。
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