1-1男の本能

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男性が草食系に変わりつつある理由がもう一つある。 その理由とは、守るべきと思える女性が減った事だ。 女性の社会進出は、自らの幸せに自主性を持つ為にも必要な事であろう。 その産物として起こる現象となったのが、守るべき者を見失った男性達である。 いま現実的に、いわゆるモテる女性とは、外見はさておくことにして、男性の庇護無しには生きてゆくのが困難な女性。或いは男性に、そう思い込まれやすい女性であろう。 しかし、それもしばらくすれば、男性を庇護しようとする女性の出現によって、構図が変わる時期も、きっとそう遠く無い。 男女の立場的構造が、ある意味平等になる事は好ましい。 ただ今日まで感じ得た、男性が道を拓き、女性が平和を願うという相互の感謝と尊敬から生まれ、本能から突き動かされるような愛を感じる男女の関係は、数十、数百年に渡って無くなる可能性もある。 これまでの男女の『愛』の在り方が、愛着という言葉の意味合いに近くなった。と言った方が解りやすいかもしれない。 結婚という生活に、愛は必要無いという方には問題ないだろうが、そこにこれまでの男女の愛を求めるならば、その愛を手に入れるのに少々難しい時代となりつつある。 今が、その転換期に入った時期だとも言えよう。 そうなった場合、男性の中にある『開拓者』がどのように形を変えて行くのか、現時点では想像も付かないが、恐らくは、家庭と趣味の開拓に傾ける人が増えるのでは無かろうかと思う。 100%男女の構図が入れ替わる事は無いと思うが、数割り程度の立場の入れ替わりであれば、ある意味『開拓者精神』に目覚めた女性と『平和主義者』である男性も、救われる時代に突入したのかもしれない。
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