2・『男が求めるもの』

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古くの男達が求めていたものは、開拓という労苦と栄光であったと言えるかもしれない。 だが、現代に於いては、いささか形を変えて来たように思える。 おそらくその原因は、前章でも述べた通り、開拓する分野が狭くなりつつある事に由来する。 ひと昔前までは、社会的地位や、名誉に心を奪われる男性が多かった。 社会的地位に付随する金銭の収入における価値観は、力としての財力に比重が置かれ、女性の在り方も男性を支える存在としての意味合いが濃かったとも言える。 しかし、開拓すべき分野の縮小と共に男性の価値観が変わりつつある。 一言で言うならば、『女性化』に向かっていると言えるかも知れない。 どういう事かと言えば、自身の幸福観が実生活に基づく、『平和主義』になりつつあると言うことだ。 開拓精神が自身の生活環境に向けられつつあるというのが正確かも知れない。 現代の恋愛に於いて、女性から見た場合、恋愛が友情の延長線上にあるような感覚に陥った事は無いだろうか? 再三言うが、恋愛の良し悪しを問うつもりは無い。
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