1-1男の本能

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ひと昔を振り返ると、多くの場合、その『開拓者』精神は、仕事や自分の生きざま、そして家庭の在り方や、社会環境等に向けられてきた。 だが、ずいぶんと開拓されてきた豊穣の時代にあって、その『開拓者精神』を向ける矛先のやり場を見失いつつあるのが現代とも言える。 もちろん、世の中を見渡せば、向けるべき矛先が無いわけではない。 ただ、そこに費やせるだけの力が今の自分にあると確信できる男性が、どれだけ居るのだろうか。という事だ。 必ずしも、開拓すべき分野に必要とされる力が、自身の長所や持つ能力に合致しているとは限らないからである。 だからこそ、奥に秘められてしまう『開拓者精神』の姿は、端から見ると、草食系に見えてしまうのも無理はないのかも知れない。 ――時に、人によっては、その『開拓者』精神が、違う場所で奮われる事がある。 それが何かと言えば、恋愛における、浮気や愛人作りという形になって現れる現象である。 古人が『英雄。色を好む』という言葉を残したのは、この事であるという事がうかがえる。 先に断っておくが、恋愛の良し悪しを語るつもりは無い。 今読んで下さる貴方の恋愛観に見合った人を見つけて欲しいというのが、この書の意図するところであることを先に伝えておきたい。
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