泡沫と消える。

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  だが、少し集中して辺りの闇に意識を集めると、朧気ながら見えてくる世界。 同時に、刺すような冷たさを両足の膝下に感じる。   (あぁ…俺は川の中に立ってるんだ)   流れに意識を集中し、川上の方を見ると、美しき花束。 弔いの山。儚く、冷たく…。   (俺への…?)   手向けの花束からは、涙にも似た夜露のような水滴がしたたり…それがこの川を作り上げてるとわかる。   川は冷たく、冷たく…それは痛みを伴うほどに。  
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