泡沫と消える。

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  しかし、痛みを伴えど、心は何も感じない。 何もかも止まってしまっているような…いや、きっとこれから先がないからなんだろう。   (これから、どうなるんだ…?)     勝手なイメージだと、これから神様なり閻魔様が来て審判が開かれたり、もしくは綺麗な川を舟で渡される。   (…って言うか、すでに川に入ってる)   「すでに…」 真っ暗闇で、死者に捧ぐ花束や食べ物、飲み物を見ていてこの悠長な考えを言える自分にため息がでる。   (さえない…人生だ。まだ、若かったのに)   きっと、これから先、友だちと飲んで今ある状況に愚痴をこぼしたり、理想を思い描きながら同じ仕事の毎日だったり…   いつかは、家族を持ったり…?   (家族…って、なんなんだろ?)   珍しくは無い話。 両親は小さい頃に離婚。最初は母に引き取られ…その後の育児の姿勢などを理由に父が親権をうつすために家裁で争ったとか… そんな過程を経ては居るのにすっかり「子育て」に疲れたように陰鬱な顔をして…   そんな親元を離れて…いざって時の事故。     (ほんと…さえない人生だ)
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