泡沫と消える。

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  (…神様…なんだな)   「ひねくれてる様に見えて、なかなか素直じゃないかい」   そう言って、昔のまんまコロコロ笑った。   「さてなぁ、そろそろ本題といこうか」   (この後、どうなるか。とか?)   「違うねぇ。それはお前さんが決めることだ。話しはな…きらきら光る、足下の泡の事だよ」   (これって…何かあるんですか?)   「いや、なに…それは既に生まれ変わって行っている証なんだがなぁ、まわりを見てどう思う?」   (…真っ暗だ)   「それがなぁ、問題なんだ。天国も地獄も…未来も、それはお前さんの心が創る。いわば創生。なんだかんだ言っても、人間の世界なんて自分の知り得る範囲だけなんだからなぁ…その世界は、過去世に機縁する。それがだ、こんなに真っ暗だとなぁ、生まれ変わりにも少なからず影響する」   (…それで…?あんまりピンとこないんだけど)   「元がこれなら、辿る先も大した変わらん」   (……)   「自分で言ってたろう?さえない人生だって。でも原因は知ってるだろう」   (……)   「向き合え。それに」   神様の言葉に、僕は黙って、消えていく泡を見ていた。
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