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ある種の諦観。自己保身。大層な鎧であり、拘束具。
暗い影は、僕の一部であり…恐らく不思議な隣人。
自分でありながら、自分を見つめて、自分を見させる存在。
そんな自分があったから、何に対しても一線を引き、諦めの良さもあった。
時に理想と現実との間に居たりもしたけど…やはり言い聞かせて、言い訳して諦めた。
さえない人生…自分で選択肢を減らして、自分に追い込まれて、ふとした時に死んでしまった。
起因は、自分だった。
(…っ)
「もう、わかるよなぁ?…じゃ、これ以上、お前さんのような死に出会わぬように」
…これ以上、死んだように生きないように…
掌で顔をおおって…指の隙間から零れた涙は、静かに冷たい川に落ちて…
小さな泡を2、3作り…他のより長く流れて、見えなくなった。
せめて、不幸な死が訪れないよう、祈ろう。
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