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部屋に戻っても、私の気は晴れない。
さっき見た光景が、鮮明に残っている。
今、何をしているんだろ…?
二人きりなのだろうか…?
ひょっとしてもう…付き合っているんだろうか…?
そんなことばかり考えていたせいで、せっかくカラオケに来たというのに私は全然楽しめなかった。
「美菜、何かあった?」
カラオケ店を出た私たちは、駅前の噴水の前にいた。
そこで杏先輩と咲先輩が心配そうに私を見ている。
恵美は敢えて何も聞いてこない。
なるべく元気に振る舞ったつもりだったけど…やっぱりダメだったか。
「いえ、ちょっと疲れちゃって。」
「そっか。じゃあもう今日は解散しよっか。」
杏先輩の言葉に賛成して、私たちがそれぞれ帰ろうとしたとき…
「ねぇ、あれって……」
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