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無我夢中で走った。
自分に体力が無いことは全く気にならなかった。
ただ無我夢中だった。
息がきれようと全然苦しくなかった。
繁華街を抜け
踏みきりを越え
もうどんくらい走ったかなんてどうでも良かった。
“帆波に会って謝りたい”
ただそれだけで走っていた。
帆波が行きそうな場所は全部まわった。
だけど、全ていなかった。
俺はその場に泣き崩れた。
久々に号泣した。
あの馬鹿野郎がいないと俺はダメだったってことに今気づいた。
気づいた時には遅かった。
俺は大切な物を失った・・・
そんな気がした。
帆波がどこか遠いところにいってしまいそうな
そんな気がした。
俺は立ち上がり家に帰ることにした。
この帰路がとても長く感じた。
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