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俺は自分の家のあるアパートについた。
一歩一歩階段を登る。
すると、俺の家の前に下を向いたまま体育座りをしている帆波がいた。
今思えばTシャツとスカートだけ詰めたカバンで家出なんて無謀だとつくづく思う。
「帆波・・・」
「清ちゃん・・・」
俺と帆波の声が混じる。
「あのさ・・・」
「あのね・・・」
また混じる。
「ごめん・・・」
「ごめんね・・・」
3度目は奇跡に近い、また混じった。
「帆波・・・」
俺は帆波を優しく抱き締めた。
「清ちゃん・・・」
帆波は少し照れくさそうだった。
「家・・・入ろうか・・・」
俺が帆波に促す。
「そしたらお風呂ね♪」
帆波がいつもの声で言う。
「あ・・・うん♪」
笑いながら言う。
久々に帆波の前で笑った気がした。
なんだかやっぱり・・・
帆波がいなきゃ俺がいない気がした。
こんな馬鹿野郎だけど・・・
ずっと大切な彼女なのを改めて感じた。
「ありがとう・・・帆波」
「ん?なぁに?」
「何でもねぇよ♪」
でもまだまだハチャメチャな日常は続きそうです。
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