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和歌山「なんなの、もうヤダ…」
高い木に登り、枝に腰掛け、頭をかかえる和歌山。拳を強く握り締め、眉間には深い溝、頬を伝う涙…
和歌山「三重…滋賀…。」
空を仰ぎ、涙を拭う。
なんで、なんで…
和歌山の頭には、その言葉が何度も繰り返され、その度に涙が頬を伝う…
「なにやってんだよ」
不意にかけられた声
和歌山は肩を震わせ、涙を拭わないまま声のした後ろに振り向いた
和歌山「ひょ…、ご…」
和歌山の後ろには、自分より高い所にある木の枝に足を掛け、逆向きにぶら下がる兵庫の姿
逆向きにぶら下っているのに、腕を組み、余裕な顔で和歌山をじっと見る兵庫
和歌山は瞳にいっぱい涙を溜め、兵庫にすがり付いた
和歌山「ひょーごぉ!!!」
兵庫「な゛っ、ちょ、ストップ!俺いま逆さ!逆向き!抱きつきな!パンツ丸見え!!!」
和歌山「ぶら下りのくせして、かっこつけるなー!髪の毛ただでさえ立ってるのに、余計立ってるように見えるじゃんー!!!ばかー!」
兵庫「なんで俺が馬鹿扱いされなきゃなんねーんだよ!あ、てめ!やめろ!落ちる落ちる!!!ぎゃあぁあ!!!」
和歌山が抱きついてくるのを、拒んでいた兵庫は、暴れすぎで足を緩め、そのまま逆さまに落ちていった
和歌山「あれ?兵庫?」
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