黒獅子の王 1章

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  「今この街に、【黒獅子の玉座<レオ>】に座る王が来てるって話だろうが。聞いてないのかよ?」 「【黒獅子の王<レグルス>】がか!?」 「マジかよ……」  男達の声が僅かに色めき立つ。  どうやらその噂はかなり浸透しているようで、店内の男達の殆どが同じような話をしている。 「世界最強の剣士がこんなしがない田舎街に、ねぇ」 「じゃ、じゃあ、今この街にあるってのか? あの四本の中でも最強と名高い、【四天の御剣<クワドラブル・レガリア>】の一つ……」 「ああ。最強の四天の御剣、黒牙『シュヴァルツ・レーヴェ』がな」  この場の男達が色めき立つのは仕方がない。この酒場の2階部分は武器商になっており、武器の買い取りも行なっている。  つまり何かしらの方法や手段で得た武器の換金、この場に集っている男達はそういうことを生業<ナリワイ>にしている連中だった。  
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