黒獅子の王 1章

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   小高い丘の草原に、地獄絵図のような光景が広がっていた。 「物取りが流行るなんてさ、この街はそんなに景気が悪いのか?」 「……さあな」  言葉を曖昧にぼかしながら、黒ずくめは背負っていた複数の武器を地面に落とし、その中から一本の剣を引き抜いた。 「大人しくその剣をよこせ」  黒ずくめのその言葉を聞いて、青年は寝転がったまま吹いた。  そして軽く笑い、上半身だけ起こして横に置いていた漆黒の剣を手に取る。 「ったく……あんたもこの剣が狙いか。この黒牙『シュヴァルツ・レーヴェ』が」 「…………」 「この剣を持っているってことの意味が、あんたもわかってるんだろう?」  青年はゆっくりと立ち上がり、その青い瞳で黒ずくめを見据えた。  ベルトが沢山あってゴテゴテしたコート風のアウター、その下にパーカー、さらに下は立てる襟の服。スキニーに近いのボトムス、ベルトでゴテゴテのブーツ。金属部分を除いてほぼ全てが黒い。  
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