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見るからに柄の悪い黒ずくめ、というか無駄に黒い。
「“最強の王<レグルス>”の名を聞いても尚、あんたは俺とやり合う気か?」
「フハッ……当然だな。それほどの剣、逃すのは惜しい」
そして、黒ずくめは己の大剣を片手でゆっくりと持ち上げる。
「身の安全は保証しない。後悔するなよ?」
青年が発したそれは嫌にドスが効いた、物騒な声だった。
「来いよっ、三流野郎!」
そして異常な殺気が両者から発せられた刹那、激しい火花を散らして刃が激突し、一瞬だけ遅れて衝撃波が大きく空気を震わせた。
「───軽い」
黒ずくめは体重を掛けて刃を押しているが、青年は普通に立っただけの姿勢でその刃を、片手で黒牙を持って受け止めていた。
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