序章<prolog>

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  「さすが隊長です、上級の神聖魔法<セイクリッド・スペル>をこうも簡単に。しかも一撃で悪魔を倒し……」 「黙って!」  口調を荒げて彼女は同じローブを着る男を黙らせ、何かマズかったのかと男は両手で口を押さえて青ざめる。  彼にとって彼女は上官であり、厳格な人物だと知っているからだ。 「あのタイミングで、まさか……躱された」 「あ、の……隊長?」  男がその情けない声を発したのと同時、クレーターの中心の地面が裂けて爆発する。 『ガァァァアアアアアアアア!!!!』  その爆発の収束と共に獰猛<ドウモウ>な咆哮<ホウコウ>が空に響く。  
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