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更に時を重ね、ついには嗚咽まで始まった。
穴だらけの体で生きているのがやっとだったのに、栄養失調にもなった。
もう少しで楽になれると自分に言い聞かせ、今の生活を続ける。
「いい加減食べてくんないかなぁ? お金の無駄なんですけど?」
如月が、また食事を運んできたらしい。
「……」
もう話す気力さえなかった。
「黙ってないでなんか言ってよ~」
足下に落ちていた五寸釘を手に取り、近付いてくる。
「ねぇってばぁ」
「!!?」
右目に、激痛が走る。
「うあぁぁああっっ!!?」
「ほらほらぁ」
右目の中を掻き回すように、釘を捩じ込んでくる。
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