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夜の学校。
昼間はあんなに賑やかなのに、やっぱりと言うべきか、静かだ。
街灯に照らされた並木を見上げると、まっ赤なもみじが風になびいていて、秋の訪れを感じる。
…五感が、鮮明だった。
事細かく見たもの、聞いたもの、嗅いだもの、食べたもの、触ったものが瞬時に理解できる。
しかし、なにもわからなかった。
五感が感じ過ぎて、思考が追い付かないような、不思議な感覚。
緊張と焦りを胸に、あいつが来るのを待った。
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