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「いやあ、あなたがお堂に泊まってるのに気付いたのは今朝ですよ。朝、様子を見に来たらあなたの軽トラが階段の下に止まっていたので何か有ったのかと思って親方に連絡して、一緒にお堂に来たのですが...」
「え?そんなはずは...?」戸惑う俺を見て、親方が大笑いしながら言った。
「大方、腹減らしながら寝ちまったからそんな夢を見たんだろうよ。
それか、オオカミ様がおめぇの働き振りを気に入ってご馳走してくださったかだ。
まあ後でお礼の酒でも納めれば良いんじゃねえか。」
一週間後、無事に竣工した神社を奉納する儀式も終わった。
俺は休日に一人で神社に行き、酒と銀細工の髪飾りを納めた。
帰りに鳥居を潜ろうとしたとき、お堂の前に間違いなく誰かが居る様な濃厚な気配を感じて振り向きそうになったが、そのまま一礼して階段を降り始めた。
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