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「つか護衛とか俺らだけで充分じゃね?」
「形式上仕方ないでしょ。大司祭の娘なんだから、この位が普通よ」
セラとヨナ以外にも十数人の兵士がアルを取り囲み上等な馬車まで用意されている。この待遇でアルの身分の高さが想像できるというものだ。
「これでも、お父様にお願いして減らしてもらったの」
苦笑しつつアルがひそりと耳打ちする。兵士は皆男で女はセラ、ヨナ、アルの三人だけだった。
セラとヨナがいればこの兵士達の十倍の戦力になるのだが、子煩悩で有名らしいアルの父親がこうした待遇を女王に申し出たらしい。
護衛につけた兵士達は国一番の美少女の護衛任務とあって、この機会にお近づきになろうと躍起になっている。
「つーかあの距離ならアルちゃん一人でも余裕じゃね?」
「私歩くのは嫌いなの」
キラキラとまばゆいほどの笑顔で言い放つアルに流石のセラとヨナもたじろいた。
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