1963年~

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『鉄腕アトム』 漫画総合点: 427位/5,791作品中 ・作品全般に亘る人間とロボットの隔絶や、社会の歪から生み出される差別に悩むアトムを通して、尊厳の故に抵抗し、多く散っていった各ゲスト及びライバル達の動機に明確性を帯びさせ、キャラクターの行動原理は極めて筋道がハッキリできており、展開は現在でも視聴に値する。 重厚なテーマに重きを示し、各登場人物の思考を掘り下げる事に力点を置く姿勢は、寧ろ青年誌の奔りの要素も深く、 後世への多大な影響を残した巨人に類する。 遠い未来かと思われた2003年も過ぎ去り、発展を続ける科学とそれを取り扱う人類の在り方等の高いテーマ性は今尚訴えかけられるものがある。 評価は文句無しの「最高」。 ・今は科学文明の発展に陰りが見えてきたような気もしますが、本作は科学の発展とそれを扱う人間への警鐘というテーマも盛り込まれていました。 ・中にはやりきれない話もあったり、現在はマイナスイメージの強い原子力への描き方が・・・という気もしますが、それでも、未来世界への夢と憧れに、現代にも通じる科学文明の発展と、一つ誤ったら悲劇や惨事が起こる可能性もある・・・という警鐘や文明批判が、作品を単なる子供向けの娯楽ものにしていなかったと思えます。 ・『火の鳥』や『ブラックジャック』のような壮大なテーマと比べると、ちょっと作風的に小さい感じもしますが、多分『ドラえもん』なんかも本作の影響を受けているですし、こういった作者の未来への憧れと友達として描かれるロボットは、外国のアシモフの小説などを除けば、多分日本ではアトムが初めてだと思います。友達であり、悪い奴をやっつける正義のロボットという独自のキャラクターを見ていけば、作者の創り出した影響と遺産の大きさが判ります。 ・学校の図書室にあった貴重な漫画。 あまりに古すぎるから、かえって違和感を感じるかと思いきや、それどころか、現代の我々でも想像するほどの未来の世界がそこにあった。 つまり、いまよりハイテクなビル、道路、車・・と、ものすごく理想的な世界観がものを言います。 手塚漫画の中では一番好きです。 漫画界における手塚治虫の功績を入れなくても十分に評価出来る作品です。 アトムを読んだ後に池原氏のロックマンを読むと3倍楽しめますね。隅々までそっくりだから。
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