騒々しい日

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春休みも終わりに近づいた3月の半ば。 公園にある木々にも葉が生い茂り、ピンクの花を今にも咲かそうとしている。 そして今日はバイトもなく、春の陽気な日差しを受けながら、休日の午前を優雅に過ご…… バタバタバタバタ。 「ゆーくん、ゆーくん!」 今日もまた居候が騒がしいわけで、優雅に過ごすなんてのは程遠い。 でも、この騒がしさが妙に心地よいと言うか。 「どうしたんだよ、千波……というか、なんちゅう恰好してんだよ」 千波の呼び声で千波の方を振り向いてみると、そこには学生服を着て、嬉しそうに踊る千波がいた。 「えへへへー。ほら、わたし新学期から学校に行くって言ったでしょ? だから試着も兼ねて今着てるの。似合う?」 そう。千波に変化が現れた。 学校でいじめにあい、家では母親に暴力を受けて家を出た千波に出会って、もう5ヶ月。 今まで学校に行こうとはせず大学までいつも付いて来た千波が急に行くと言い出してきたのだ。 「あぁ、似合うよ」 制服姿の千波はすごく新鮮で、俺は見たままの素直な感想を言った。 「本当に!? じゃあさ、萌える? 萌える?」 千波はそう聞くとくるくるその場で回り始める。 回るもんだから必然的にスカートも揺れてしまうわけで、中の白い布が見え隠れするもんだから…… 「おまっ…! それは卑怯…」 俺は千波を視界に入れないように首を後ろに回転させた。
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