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校門を出たところで走り出していった千波と沙希に追いついた。
走り疲れたようで、2人共息を切らしている。
ちなみに万里江先生も途中までは同じ帰り道らしく、4人でそのまま一緒に帰る。
「結構いつも一緒に帰ってるんだよー」
「そうですね。職員会議や忙しくないときは千波ちゃんと沙希ちゃんと一緒に帰ってますね」
と帰る途中途中で俺の知らない居候と妹の情報が次々と出てくる。
…俺は家の中の状態しか知らないしな。
その会話の中で驚きの言葉を聞いた。
「万里ちゃんはね、大学の講義全部“秀”なんだって!」
「全部秀っ!?」
一瞬千波のその言葉が嘘じゃないか疑ってしまう程のびっくりした。
大学はその講義で何点とれたによって評価が変わってくる。
単位が認定される可に始まり、良、優。そして一番評価の高い秀。
これは半期全体の評価として90点以上じゃないともらえない評価だ。
それを全部…だと…!?
「お兄ぃなんて取ったことが無いんじゃないの?」
「うるせーよ」
沙希はいじの悪い笑みを口元に浮かべて俺を見つめる。
…実際無いけども。
「それに加えて英検に漢検の1級ももってるんだって!」
「すげぇ…。超人ですね」
「ちょ、超人ってそんな大層なもんじゃないですよ。ただ勉強するのが好きなだけで…」
それだけも十分なんだが。
「お兄ぃは変人だけどね」
またまた悪態をつけて笑う沙希。
なんでお前はそうケンカを売ってくるんだよ。
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