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「お、起きてるよ。何か用?」
ベッドから身を起こす。
やばいやばいやばい…。
さっきまで考えてたから変に意識しちゃう!
ここは顔に出さないようにしなければ!
「お邪魔しまー……悠二、なんか顔がアナゴさんみたいになってるけど」
「はっ!」
しまった!
頬が紅潮しないように神経を尖らせていたら、どうやら顔がアナゴさんのようになってたみたいだよマスオくーん。
「え、えとそれで何かあった?」
アナゴさんのようになってた顔をすぐさま今まで通りに変え、スズの用事とやらを尋ねてみた。
「あ、うん。あたしたち明明後日から大学が始まるじゃん? それで始業式とかどんなのかなってことを聞きにさ」
そう、長かった俺たちの夏休みももう終わりを告げようとしている。
それでも9月下旬くらいまで休みだったんだけど。
って始業式は……
「無いけど?」
「えーっ、無いの!?」
俺が当たり前に答えたことにすごく驚かれた。
でも知らないと驚くことかも。
「え、じゃあどうなの!? 講義とかは…?」
「簡単に言うと始業式無しでいきなり講義が始まんの」
「…………!」
目から鱗が落ちているスズに続けて説明する。
「前期のときに貰った時間割に後期分も載ってるから、それで確認して自分の受けたい講義に行く」
「はー…。なんかすごいよね、それ。急に講義なんて、そんなにすぐ切り替えなんてできないよ」
「確かに。休みも長かったから講義が始まると思っただけでだるいよ」
「って、また顔がアナゴさんのようになってるよ悠二」
「え、本当かい? マスオくーん」
「あたしマスオさんじゃないけど」
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