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「――――――」
時折見えるその姿とマイクで拡声された声で今舞台にいるがあの人だと把握する。
やはりその人の面白さはテレビの画面を越え、直に会ってみても変わらなかった。
もうこの場は盛り上がりの最高潮がずっと続くかのように、みんなテンションが高かった。
それが終わるとその興奮冷めやらぬままその場を解散した。
「おもしろかったな!」
「だね! 特にあの件(くだり)、最高だった」
俺とスズもライブのことを振り返っては、笑いが溢れた。
それは中学生のとき学校から帰ってるときや、遊んでいるときの光景のように何度も何度も笑った。
あの日から空いた2人の時間を埋めるように……
「…ほら、次はどこ行く?」
「そうだなぁ。じゃあ次は…」
それからサークルや部活が催す飲食店を回ったり、学部で行われるイベントを見て回った。
特に理学部のサイエンショーはすごく楽しかった。
思わずでん○ろうさんが主催してんじゃないかと思ったほどだった。
「空気砲が! 空気砲が!」
スズはそれを見てすごく楽しそうに笑う。
この笑顔を見れただけでも一緒に大学祭回れて良かったって言える。
「……? なに、さっきからあたしの顔見て。何かついてる?」
「べ、別になんでもない」
「変な悠二」
…そんなこと言われなくたって自分でも分かってるよ。
だって、さっきから胸にしこりがあるような不思議な気持ちが渦巻いているんだ。
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