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「晴れたー!!」
カーテンを両手で大きく開き、高々と昇る朝陽をその身に浴びる。
「ゆーくん、晴れたよ!」
「うん、晴れた!」
天気予報で元々今日晴れることは知ってたけど、千波のテンションを下げないように知らない体(てい)で接する。
「はーやーくー。行こーよー」
服の裾を引っ張って外に連れだそうとしてくる。
「待て待て。まだ始まってもないって」
「だって待ちきれないんだもん!」
時計の時刻を教えても口を尖らせて答える千波に俺は困りながらも口を開いた。
「それに、俺もだけど沙紀たちも支度がまだなんじゃないのか?」
「えー…。じゃあ沙紀んち行ってみようよ」
渋る千波はそんなに早く行きたいのだろう、沙紀が支度できてるかどうか確認しに向かう。
「はいはい…」
面倒だけど反論するのもまた面倒なので千波について沙紀んちに行くことにした。
言っても隣だから行くって程の距離でもないけど。
「沙紀ー、おはよー!」
「あ、千波。早いわね。まだ始まるまで時間が……」
「沙紀、はよー」
あ、沙紀着替え中だ。
「ななな、何お兄ぃまで来てんのよ!」
「そのー…隣の部屋に住んでるんで…」
理由にならない理由を言いながら普通に妹の着替えシーンを見てしまっていた。
ちなみに青と白の縞パン…
ドゴッ!
重みのある音とともに感じる痛みが俺の視界を奪ってった。
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