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「ここ…らしいわね」
そのコスプレ会場にやって来た俺たち。
場所は普段使うような講義室を利用しており、囲むようにして衣裳がハンガーに掛けられ置いてあった。
「うわぁー! すごいいっぱいあるね!」
「うん。それに衣裳は毎年増えていくから来年にはまた更に増えてるよ」
会場に着き、急激にテンションの上がった千波と彩先輩は近くの服から物色を始めた。
「…………」
「その衣裳、沙紀に似合ってんじゃねぇか?」
「う、うるさいわよ。別に私は着るって一言も言ってないんだから!」
そう言う割りには興味津々に服を見てますよね?
「でもまぁどうしてもって言うなら着てあげてもいいけど」
「どうしても!」
こんな機会なんて滅多にないからな。
これは是が非でもコスチュームに着替えてもらわねば!
「そ、それなら着てあげないこともないけど…」
「愛莉には何着てもらおうかなー?」
「……?」
「ってちょっと聞きなさいよ!」
恥ずかしそうに顔を赤らめる沙紀をわざと無視して愛莉の服を選ぶ。
小学生サイズがあるのか不安だったけど、意外と何着も用意されていた。
数多くの衣裳に興奮する千波と彩先輩、
その光景を眺めて興奮する進藤先輩、
どの衣裳に着替えようか困惑している沙紀、
そのみんなに背を向け、愛莉とワンツーマンでどの服が一番似合うか吟味した結果、巫女服がいいんじゃないかってことになった。
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