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カーテンで仕切って作られた簡易試着室に、巫女服を愛莉に持たせて着替えてもらった。
着替えかたがよく分からなかったのか、
「お兄ちゃん…着れないよぉ…」
とSOS信号をカーテンごしに発信してきたのだ。
これは兄として男として助けなければなるまい!
他の人たちに試着室に入るところを見られないように最善を尽くし、中に入った。
入ると目の前には着替えきれていない愛莉が困惑の瞳をしていた。
「うー…お兄ちゃぁぁん…」
完全に着れてないので裾などははだけてしまい、愛莉は恥ずかしさを帯びた瞳でこちらを見ている。
うはっ!
たまんねぇ!
口からよだれが垂れそうになるのを必死に堪え、着替えの手伝いをする。
途中途中、今着ているこの巫女服を取っ払ってしまいたい!
なんて思いが脳裏を行ったり来たりと往復していたが、理性という名の壁がそれを思いとどまらせる。
「着れた…!」
愛莉のその言葉を聞いて俺は更衣室を出、さらにカーテンを開いて巫女服お披露目とする。
「お兄ちゃん…どうかな…? 愛莉…似合ってる?」
「おぉ…! やばいよ、やばいよ愛莉!」
着替えの手伝いをして間近で見てるときとはまた異なり、少し離れて見るとそれはそれは可愛い。
照れて赤くなる顔が巫女服とまた合っていて可愛い。
俺は無意識にケータイを取り出して写メで何度も撮った。
そしてそれをすぐさま待受画面に登録するのだった。
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