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とにかく、もう軽率な行動をとらないようにしよう。
自分の行動に責任がとれるのかも怖いし。
「ゆーくんー。今日はバイトも無いんでしょー? どこか行こうよー?」
そんな俺の気持ちとは関係なしに千波は俺にベタベタとくっついてばっか。
「えー? 久々の休日なんだから朝くらいのんびりさせてくれよ…」
この大切な朝という時間を堪能したいんだよ。
っていっても、行動はなんかおっさんみたいだけども。
「んー! どこかに行こうよ!今日いい天気なんだよ」
一向に動こうとしない俺を千波は引っ張って外に連れだそうとする。
すると、その外の方から大型車のブレーキ音が聞こえたかと思ったら、数人の男性の声と女の子の声が薄い玄関から漏れてきた。
俺も千波もぴたりと動きを止め、その男女の会話を聞くことに神経を尖らせた。
「場所はこちらでよろしいんですよね?」
「はい、ここです」
「それじゃ、家具を運び込みますので」
「どうやら引っ越して来たみたいだな」
会話を聞いてみて、すぐそう判断したところで隣から家具を運ぶ込む人たちの足音が聞こえてくる。
どうやらやって来た人は俺の隣人になるようだ。
それより、その隣人の声に聞き覚えがあるような……?
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