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体操着異常なし。
初めての体育はやはり綺麗な体操着でやりたいものだ。
しかしそんな日に限って…
「体育の先生が休み…」
一体誰の呪い!じゃなく誰の仕業。
女子と男子は別々に体育をしている。
女子は体育館だと男子はグラウンド。今日は女子が体育館だ。
「さぼらないならなんでもいいらしいよ」
「卓球しよ卓球!」
「やだ~あれ台出すの面倒~」
「じゃあバスケ」
「バレーもいいけどネットとか色々する事あるから面倒よねー」
「じゃあ無難なドッジボールとかどう?」
一人の女子が提案する。ドッジボール。相手にボールを当てれば外野という楽な所にいけるシンプルな遊び。最後まで残れたのが勝ちだが大抵の人間は外野に行きたがっている。
私もそうだ。
「じゃあぐーぱー、でチームわけよう!」
「……」
ま、私は中に入らせて貰えないから小さく壁にでもよりかかり…
「“緒方さん”も早く!」
「えっ」
「ドッジボールやろう!」
「……」
まさか誘ってくるとは思わなかった。
でも…体育の時だけは男子がいないから竹岡の事も忘れられる。
だから私も参加した。
しかしある意味忘れられたのだが…
「おーい竹岡、何体育館みてんだよ」
「あ…」
サッカーの途中、竹岡は体育館を眺めていた。
「しかしお前も凄い女に目をつけられたよな」
「?」
「呪われないように気をつけろよ」
「別にそういうのは気にしない。ここ最近体調悪い原因が緒方だってわかったから」
「だから気をつけろっていってんだろ?」
「そもそもあいつをそうさせたのは俺が原因だと思う」
「ただの腹いせだろ」
「俺あいつの大事にしてた髪切ったんだよ無理矢理」
「髪?」
「長い髪が気に入ってたからさ」
「あーそりゃ怒るな。でもたかが髪だろ」
「あぁ。それに俺はただ……」
「?なぁ…なんか体育館騒がしくないか?」
「っ!」
「え…おい竹岡、今授業中!」
騒がしい、ただそれだけの事。しかし竹岡には嫌な予感がしたのだ。そしてその予感は見事的中する。
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