地獄のドッジボール

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…明日青あざになってるかもしれない。 そんな呑気な事を考えていた。 ドッジボール…、ルールわかっているのか。遊び方わからないんじゃないか… でも彼女達は知っている。でも本来のルールを彼女達は変えた。自分達のルールで。それは一人に集中して当てるゲーム。 勝敗はわからない。最後まで気絶しなかった方が勝ちで気絶した方が負け…なのかもしれない。 「さっさとぶったおれなよ」 「呪われる前に気絶させてあげる」 呪いなんか…しない。呪いたいくらい今凄くむかついてるけど、でもそうしたら更に酷くなるとわかるから… 「う…」 私はさっきから顔を庇っていた。いや正確には目。コンタクトをしてるから目にボールでも当たられちゃ危険だからだ。 でもそろそろ限界……次目覚めた時…目、見えてるかな… そんな事を思いながら躯から力が抜け、倒れようとした時、躯が誰かに支えられる。 あつくがっしりした何かに… 「なんで?」 「なんで緒方さんを庇うの“竹岡君”」 「た…けおか?」 私がその名を呼ぶと竹岡は無表情に私をみる。その表情は心配しているようにもみえるし心配していないようにも見えた。 「竹岡…あんたに助けられるくらいなら舌噛みきって死んだ方がマシよ」 「じゃあ死ね」 「むっ…こ…こんのー!」 私は肌見離さずもっていたものを体操着の中から取り出す。 「おま…こんな状況でも出すのか」 呆れた表情をしながら溜め息漏らす。 確かにこんな状況。 でも諸悪の根元を断ち切るにはこうするしか…ん? 「?どうした」 「一応忠告してあげるけど背後にはお気をつけて」 「は?」 意味がわからないという顔をしながら奴は後ろを振り返る……と同時に… 「ごめんなさい竹岡君!」 「ぐっ!」 「先生にちくられちゃ嫌なの!」 「ぐふっ」 うわぁ… あえて顔は避けて気絶するまで…て。本当にこいつを好きなのか彼女達は… 「なんか…この展開からいくと私も気絶…するのかな」 「当たり!見事当てた緒方さんには素敵な楽園へご招待~」 それ…凄くいらない。 そう言おうとしたけど私もふらふらして気絶寸前だったから最後の一撃をくらい、馬鹿な勢いで倒れ、意識を失った…
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